ログ0032:刑務所というところ 第6話(前編) 東京拘置所 ついに共同室デビュー
ログ0033:刑務所というところ 第6話(中編) 東京拘置所 ついに共同室デビュー
◆男子校ノリ、最後の2カ月
共同室(男子校)での生活は、それなりに楽しかった。
とはいえアタシらは「未決」=被告。ゴールなしのマラソン状態。
だからこそ、バカみたいにジャム納豆作って爆笑したり、真水10杯飲んで泣いたり。
BLEACHでいえば「副隊長」くらいの霊圧までは鍛えられたと思う。
そろそろ卍解いけるんじゃね?と思ってたら――事件発生。
◆教育係に強制ジョブチェンジ
ある日、担当職員に呼ばれる。
「べー、お前、教育係な」
いやいやいや……断ろうとしたけど、職員の目が完全に「拒否権ナシ」。
はい強制決定\(^o^)/
教育係=新入りにルール叩き込む“エラそうな奴”。
まさかアタシが……!?
理由を聞いたら「まともだから」。
うん、社会保険料と年金払ってただけで“選ばれる側”になれるのが拘置所クオリティ。
◆修行部屋の日々
教育係の部屋はマジで修行部屋。笑いゼロ、完全に事務的対応。
2〜4人を毎日迎えて、ルール説明。延べ300人くらい相手した気がする。
罪状の内訳は――
- 特殊詐欺:6割(掛け子・出し子・リクルーター・幹部までフルコース)
- 薬:2割(覚醒剤=シャブがメイン。草や紙も)
- その他:2割(無免許飲酒・窃盗・過失致死・謎詐欺いろいろ)
「彼女のお金を借りたつもりで窃盗になった男」とか、「出し子に騙された学習障害っぽい子」とか、ネタに事欠かない。
しかも皆、妙に“盛る”。
「オレ社長やっててさ~」とか「うちの組が~」とか。
アタシ思う、拘置所ってセルフプロデュース力の無駄遣い選手権なのか?
よく言うのは、刑務所、拘置所では「自称社長」と「自称ヤ◯ザ」が大量に発生するとw本当にその通りだった。
◆控訴審→赤落ち
そんなこんなで迎えた二審。
控訴審はたった2回。1回目は5分で確認、2回目は主文朗読で終了。
ちなみに行っても行かなくてもOK。
アタシはもちろん、2回とも出廷w
もちろんちゃんと自分の目で、耳で確かめるためだ、10%くらいは弁当を食べにw。
実刑5年半(長っ)。
ただし未決通算360日で、実質4年半。
2021年5月11日、「赤落ち」=受刑者確定。
未決ライフ1年半にピリオド。
◆受刑者区画へ、そして…
赤落ち当日、D棟10階から4階へ。
全員が受刑者で「刑務所移送待ち」の部屋に。
だがここからさらに待つ。
2週間で刑務所送りの人もいれば、数カ月足止めの人も。
アタシも例外なく「まだ拘置所」コース。
……逮捕から1年半経っても、まだ刑務所行けてないってどんなバグだよw
◆東京拘置所ネタ
東京拘置所では、未決囚のお世話係として各フロアに3人の受刑者がいる。
名前を知られないように、彼らは符号で呼ばれていた。
「大型」「中型」「小型」──お前ら、車かwww
しかも最初、誰もがこう聞き間違える。
『大型』を「尾形」や「緒方」……そう、「オガタ」に。
東京拘置所あるある、ここに極まれり。
◆次回予告
次にアタシが向かったのは――
「選ばれし受刑者」が行くと言われる刑務所。
その名も「喜連川社会復帰促進センター」。
果たしてそこは「エリートの楽園」なのか、それともただの「更生ワークキャンプ」なのか……
🎵 Soundtrack while writing:muque「The 1」
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